
第2回
この日の為にいろいろ準備した。
まず英語が二人とも話せないので、辞書・携帯翻訳機←けっこう便利!!
単語とか、会話を機械がしゃべる!!女の人バージョンと男の人バージョンがある!
「日常英会話!こんな時はこう答える!」っぽい題名の本2冊。
それに旅の本「る○ぶニューヨーク」とか3冊近く。
それとニューヨークは北海道より寒いらしく、うちの近くにあるジャ○コで
インナーを5枚、分厚い靴下、タイツ、マフラー、耳あて、手袋、使い捨てカイロ、
などなど買った。もちろん変圧器も!!!
一番大変だったのが、自分のミシンとアイロンの荷造り!
精密機械だからかなり丁寧にしないと、車で2時間ゆられ、バンで1時間ゆられ、
飛行機で12時間ゆられ、その後も宿に着くまでゆられつづけるので
これに耐えられるようにせねば。
ニューヨークはもちろん、海外は二人とも初めてなので、いろいろ本を読みまくった。
まず、どの本にも書いてあるのが、
『危険!』昔よりは良くなったが、やっぱり『危険!』
・バックはショルダーを斜がけにして、自分の体の前にくるように持つ。
・お金は別けてしまう。現金はなるべく持たない。
・早朝6時以前、夜10時以降は外出しない。
・地下鉄は人込みの多い所で待つ。
・きょろきょろしない。
・高級店の紙袋など持たない。
・動きやすい服装にして、高く目立つ服は着ない。貴金属も派手な物はしない。
私達はこれを読んで、とても恐ろしい所に連れて行かれるんだと思って、
また、わくわくする所じゃなかった。
むしろ、死ぬ覚悟だった。←ちょっと大袈裟だけど。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
早朝6時。スタッフルーム。←ということは家を4時に出た!3時起き!
真っ暗!
みんなが集まると(この時ご・あきうえはこれなかった。ある理由で。
さすがにこれはさしさわりがあるので教えられません。ごめんなさい!)
さっそく荷物をバンに積んで、出発した。
車の中はライバルと一緒。まだ数回しか会っていないし、二次審査の時も席が遠かっ
たのであまりうちとけられない。といってもライバルだからうちとけちゃだめか。
<成田空港>
自分達の荷物は段ボール2つ(ミシンとかアイロンとか道具)とトランク、
手荷物1つくらい。
段ボールは『精密機械』『取り扱い注意』というシールを貼ってもらう。
空港の係の人に「大事に扱って下さい!」とみんなで言った。
ところが、言ったそばから段ボールを横にしたり、
ベルトコンベアにドンッ!って乗せられた。
ミシンなんて15万円位するのに!!しかも一ヶ月ニューヨークで使うから
修理も出せない!!!壊れたらどーするんだ!!このやろーーー!
と心の中で叫び、目で訴えた。けど段ボールはもう運ばれてしまった。
海外は初めてで、パスポートをとるのも初めてだし、
出国審査とかいろいろわからない事だらけだった。
もちろんパスポートの写真は誰にも見せられない位ひどくまぬけで、
犯罪者みたいだった(笑)
出発はたしか、12時くらいだったと思う。
飛行機の中に入るとあらびっくり!席が超狭っ!電車より窮屈!
エコノミーってこんな感じなんだ、12時間もこんな所にじっとしていられるかな?
一応テレビとゲームとラジオがついているから大丈夫か。
と思っていたが案の定、音楽は2周聞いたし、映画は始まるタイミングが
なかなか合わなくて(最初から見ないと気がすまない。)
手塚治虫のアニメを3回見たし、ゲームは一通りやったあと
その中のトランプゲームを数えられないくらいやった。←つまらないけど。
その合間には今どこを飛んでいるのか、時速何キロか、気温は何度か、
天気はどうか、ニューヨークは今何時か、
到着まで何時間かというような番組をチェックした。←もっとつまらないけど。
けど、時間はぜんぜん余っていた。あとは寝るだけ。
食事はいろいろ選べてけっこうおいしかった。でもずーっと座っているだけだから
カロリーは消費する間もなく、おなかはどんどんふくれた。
(おなかこわしそう・・・)←りかはすぐおなかが痛くなる。
14時間位飛んでやっと着いた。ほんとに疲れたぁ〜〜〜〜。
おしりが一番痛かった。(泣)
ゆっくりしている暇もなく、入国審査。
もちろん英語で答えるわけで、汗かくほど緊張した。
りかは何しにきたか?を聞かれたので、答えが簡単でよかった。
ところが、4組(ご・あきうえはまだいない)のうち3組は
普通に入国審査を終えたが、一人だけひっかかった人がいた。
佐藤君。
早稲田の学生で、服飾のことは独学で頑張っている。
5組で最年少。
なぜひっかかったかというと、佐藤君のトレードマークでもある
サングラスが問題だったようだ。しかもコートが軍もの。
私達日本人の若者は「おしゃれだな。」って思っていても、
アメリカ人には理解できないらしく、
「この日本人あやしいぞ!」と思われたらしい。
何処からともなくでっかい黒人があらわれて、佐藤君を連れ去った。
他3組はただビビるだけで、どうしていいか分からなかった。
するとプロデューサーがその黒人に向かってなんだか英語で話し始めた。
そういえば、スタッフに成田でファイルみたいなものをひとりひとり渡された。
英語でなんだかいろいろ書いてあって、あまりよく分からなかったが、
「なにかあったらそれを(ファイル)見せて下さい。」って言ってた。
こういう時に使うらしい。
テレビ番組で来てることや、プロフィールなどが書いてあった。←たぶん。
ほかにも書いてあったが、分からない。
どうやら黒人は納得したらしく、佐藤君も無事入国できた。
「強制帰国させられるところだったよ。」と佐藤君は言っていた。
30分位遅れてやっと空港を出れそうだった。
空港では成田でもニューヨークでもロケを少しした。
コメント(意気込み)とか、荷物を運んでいるところなどを撮った。
さっそく今日泊まるホテル(アパートは明日から)へ行くのにタクシーに乗せられた。
40ドルとホテルの場所を書いた紙をスタッフから渡され、
「これ渡せばいいから。」
とだけ言われ、さっさと乗せられた。
(どうしよう!英語分からないよ〜怖いよ〜たかしなんとかしてくれ〜)
でも意外とたかしはビビり屋で、二人とも一言もしゃべらなかった。
(頼りになんないじゃん!!!)
タクシーの運転手は黒人の若い人で、鼻歌まじりで運転していた。
(ほんとに大丈夫かよぉ〜変な所に連れていかれたらどうしよう!)
タクシーは運転がとても荒く、しかも同じ所を何度か通った。
(りかは田舎に住んでいるので車はよく使うから道を覚えるのが得意!!)
ニューヨークのマンハッタンは一方通行がほとんどで、道を間違えると厄介だ。
しかも5車線くらいあって、右折するのに一番左車線を走っていたりして、
超ギリギリで一気に4車線も変更したりするものだから、
(あぁ、ここで死ぬな。)と本気で思った。
しかもしかも、超狭い所に入って(なんか、車線あまり関係ないみたい)
5車線なのに横に6台も車が並んでいたりして、人をひきそうになっていた。
ぜったいこっちのタクシーが悪いのに運転手は
「FUCK!!」って叫んだりしていた。
(今度こそホント、死ぬな。)
(とんでもない所に連れてこられたな。やばい一ヶ月どうしよう?)
30分か40分でマンハッタンのほぼ中央にあるホテルに着いた。
現地のコーディネーターの森さんも来た。
(ニューヨーク滞在中ずっと森さんにはほんとにほんとにお世話になりました。
すごく気のきく優しい人です。)
まだチェックインまでじかんが3時間くらいあり、スタッフもそれまで来ないので
みんなで食事をすることにした。
あまり遠くへ行くと怖いので、道を挟んですぐのレストランへ入った。
ここで頼りになったのが
みつみさん。
前川満常美さん。ニットデザイナーで、最年長。←みつみさんごめんなさい!
英会話が少し出来るらしく、かなり頼りにしちゃった。
りかと佐藤君はサンドイッチ、みつみさんは、肉料理、たかしも肉、
川内さんも肉料理だった気がする。
川内さん。
フリーのデザイナー。以前スタイリスト事務所に勤めていたらしい。
料理は大きい皿にこれでもか、というくらいのっていた。
しかもピクルス丸ごと一本!!!
見た目はよくない。味はやっぱりまずい。というか量が多くて飽きる。
食べ終わると待っていたのが料金の支払い。チップはどうしよう?とか
一人ずつ払うのかとか、全部みつみさんに聞いた。
その後まだまだ時間があった。
佐藤君は本屋に行く、と言って一人で出かけた。
(さすが早稲田だな。若いのにビビりもしない。)
それに引き換えうちらカップルはビビりまくりで、
食事の後、ホテルのロビーから一歩も出なかった。
(トイレに行きたい・・・)←けっこう我慢してた。
(え〜と、トイレは何処だ?)←あちこち探した。
(・・ない・・。ホテルの人に聞くの怖いな。でもトイレ・・・)←そろそろ限界。
(しょうがない、聞くか。え〜となんて聞くのかなぁ?英語の本、本、本。)
(「Where
is the restroom?」か。よし。)
りか「Excuse me,where is the
restroom?」←よし!完璧!
ホテルの人「ペラペ〜ラ、ペラペラ、ライト、・・ターン・・・フロント・・・」
(単語しかわからん!早すぎ!!!でもなんとなくわかったかも。)
単語だけでも聞き取れたので、やっとトイレにいけた。あ〜すっきり。
★この先りかは何度も「Excuse
me,where is the
restroom?」
という文を使う事になる。
もうチェックインの時間だというのにスタッフが誰一人こない。
しょうがないので森さんに電話してきてもらうことにした。
その間にチェックインしておいて、と言われた。
ところが、ホテルマンは日本人の若者だとばかにしているらしく、
すごくそっけない態度で、一生懸命話しているのに
(そんな英語じゃわかんないさっ!)とでも言いたげに、いやーな感じだった。
しかもそのうち怒りだして、
「クレジットカードとパスポート出せ!」←もちろん英語。
「私達は予約してあって、チェックインしたいんです!!」←もちろんみつみさん
それでもだめだった。
かなりばかにされている。英語があまりわからなくても雰囲気でわかった。
(なんてホテルだ!)←日本ではけっこういいホテルだと紹介されているのに。
ようやく森さんが来て、事の一部始終を話すと、
「それはひどいね、ちゃんと言ってあげる!」って言ってくれた。
森さんは偉い人を呼んでくれて話してくれた。
(人を見た目で判断するなっつうの!!)
ようやく部屋に入れた。
休むのもつかの間、スタッフが来て夕飯を食べに連れて行かれた。
ランチとは比べ物にならない位おいしかった。
ムードもあるし。
でもスタッフがたくさんいて緊張したのか、りかはお腹が痛くなった。
さっそく2度目の「Excuse
me,where is the
restroom?」を使った。
こっちのトイレはあまりきれいじゃない。
食事も終わり部屋に帰ると時間も遅く、シャワーを浴びて寝る事にした。
ところが!お湯が出ない!!!使い方が分からなかった訳ではなく、
まじで出ない!なんか微妙にちょっとぬるいのが混じっている様な感じ。
12月だっていうのに水風呂で、ガチガチ震えながらシャワーを浴びた。
ここのホテルまじ最悪!!!みなさんに教えてあげたいけど、
さしさわっちゃうのでごめんなさい!
一日長かった。
<次の日>
スタッフに一ヶ月分の生活費と、一ヶ月有効のメトロカード(バスや地下鉄で使う)
とランドリー代$20をもらう。(この時$1≒¥102くらい)
生活費は1人一ヶ月$400。
うちらはカップルなので、ふたりで$600←なんで安いの?
タクシーでこれから一ヶ月住む事になるアパートへ向かう。
この時はスタッフも一緒だったので、安心、安心。
うちらの住む所はマンハッタンでも高級住宅街である、アッパーイーストサイド
という地域で、隣接するマンションはどれも高層で入り口にはドアマンがいた。
うちらはその近くの5階建ての5階に住むらしい。
みつみさんはもっとハーレムよりで、川内さんはうちらとみつみさんの間くらいで、
うちからすぐ近所に佐藤君が住むことになった。
うちらの部屋は最上階で、部屋の中が二階建てになっていて、しかも2階には
ベランダがあった。ベランダで隣の人の部屋とつながっていた。←ちょっと怖い。
他の人の部屋よりきれいだったらしい。←でも2階のトイレがつまっていた・・・
そのかわり5階まで階段で、かなりつらかった・・・。
ミシンなどの引っ越し荷物や、これから布をたくさん買ったりするので
その時はかなりしんどかった。←汗だく。
とりあえず、まだご・あきうえが来ていないので今日の所は家で待機。
夜になるとスタッフがたくさん来て、差し入れを持ってきてくれた。
固定カメラ一台と、テープを10本くらい置いていった。
自分達で一時間ごとにテープを取り替える。
作業しているのを撮ったり、
寝る前に今日のコメントを1人ずつカメラに向かって話す。
ようやくスタッフも帰って落ち着いた。
りか 「なんだか疲れたね。これから大丈夫かな?」
たかし「そうだね、明日みんなで生地屋行くんだよね。
ま、世界のニューヨークだからなんでもあるよ。」
りか 「そういえば、来る途中に生地屋街あったね。」
たかし「でも光る素材ばっかりだったから、また違うよ。きっと日本みたいに
なんでも売っている様なビルとかあるよ。」
りか 「そうだね!とりあえず、明日早いから寝よう。」
そう、これからこの生地屋探しが一苦労だった。
これから何が起こるか、まったく見当もつかない。
ただ、明日から普通に生活しなければならないので、
(英語勉強しなきゃ。)とか
(ニューヨークってビルが高いなぁ)とか
(怖いから家から出たくないよ〜)という
なんとも簡単な悩みと、
(生活費節約して料理しないと。めんどくさいなぁ。服作るの好きだけど、
料理あんまし好きじゃないし。でもしょうがないか。)という
またまた簡単な悩みしかなっかった。
これからあんなに辛いことが起きようとは、
この時二人とも思わなかった。
つづく
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